こんにちは、木曜日の秀生です。
(プロローグ)
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〈奴〉の事を意識したのは
どれくらい前だったのか覚えてもいない
〈奴〉が信じるかどうかは別として
決して私に悪意があるわけではない
1番の理解者ですらある
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ある日の休日の出来事。
■ Am6:30 〜ベッドにて〜
珍しく早起きしちゃった。
なんだろう。
足首がちょっとジンジンするなぁ。
■ Am7:30 〜ベッドにて〜
あれ、捻挫かな。
昨日何かしたっけ。
いや、何もしてないけどなぁ。
ジンジンが増してきてる…。
■ Am8:30 〜ベッドにて〜
…。
…これは。
足首の痛みがどんどん増してきているじゃないか❗️
捻挫のような痛みが明らかに強くなっている。
どんな風に足首をポジショニングしても痛い。
足首に頭痛が乗り移った感じがする。
ちょっとトイレに行こっと。
(足を床に下ろした瞬間)
「っっィッテー❗️❗️」
なんだこれ
ベッドに居たときは捻挫くらいだった足首のジンジンが
足をベッドの下に下ろした瞬間にバッカンバッカンに激変したのです!
床に足を着けることが出来ない状態なので、こうなったらケンケンで移動するしか仕様がないのです。
なんならケンケンの振動でも痛い。
これでは何も出来ないじゃないか。
ベッドの上で今日の予定全てをキャンセルする電話を方々に入れ、
平謝りを何度かした後、枕の横にiPhoneを置いてまた目を閉じてみた。
勝手に眉間にシワが寄る。
そうか、
これが痛風か。
きたか。
僕の元にもとうとう来たのか。
その日は終日悶絶していたので、翌日になってようやくビッコをひいて病院へ行って来たのです。
数年前から確かに尿酸値は基準の「7」を超えていました。
ビールを減らしてみたり、ちょっと思い立ったら歩いてみたりはしていたものの
成る程これくらいじゃ大した効果は無かったんだな。
「奴」は四六時中ずっと僕の背後に居て
僕の生活の一部始終の出来事を1つも逃すまいと言わんばかりに背中にへばりついて
今か今かとヨダレを垂らして僕の足首を狙っていたんだな。
今までは僕の背中で静かに息を潜めて居たから気が付かなかったけど、
今ははっきり見える。
僕の足元で這いつくばっている「奴」の背中が。
僕は「奴」に問いかけます。
そんなにお腹が空いているの、ぼうや?
その両手には用意周到にナイフとフォークでも握っているのかい?
僕の背後から今や、足元で僕の足首がステーキに見えているのか夢中になって貪っているそこのぼうや。
お前に忠告してやる。
僕をその辺の痛風患者と同じだと思うなよ。
僕も男だ
「真っ向勝負と行こうじゃないか」
それからはもうネットで「痛風」の記事を検索する日々が始まりました。
世の中には痛風で悩んでいる人が本当に沢山いるようです。
YouTubeでも沢山上がっていました。
ネットを何周かして何となく分かった事がありました。
要は生活習慣の事ですので直ぐに完治する物ではありません。
が
必ず完治させてみせますよ。
そして僕は心の中で「奴」に強い語気で言い放ちました。
「聞いてるか卑怯者、
分からないようにずっと僕の背後にへばりついて、今や僕の足首を好き放題にむさぼっている死神め、
勝負してやるからいつまでも背中を見せていないで
上を向いて顔を見せてみろ❗️」
「奴」は口元を僕の血で真っ赤に汚してゆっくりと首を上げてこちらを振り向きました。
そして口元にベッタリついた僕の血を腕で拭ってこちらを見てニカっと笑ったのです。
ずっと前から僕の背中に隠れ続け、
満を辞して今、背中を向けて僕の足首を餓鬼のようにむさぼり喰う死神の正体…
そう
足元から僕に振り返った「奴」の正体は
紛れもない
「僕自身」だったのです。
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(完)
〜後書き〜
僕は生活習慣から痛風を発症してしまいましたが、
遺伝も相当関係しているみたいですから、
皆さんもくれぐれも気をつけて下さいね。
にわかには信じられないのですが、
今年で僕も40歳になります。
本格的に身体に気を付けなければいけない年頃になったんですね。
「気」の持ちようで、
いくらでも
何とでもなりますよ。
多分。
そう言う気持ちで僕も戦いますね、
自分と^ ^
「秀生」