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風情

いざ降らないとそれはそれで風情も無いのでつまらなく思ってしまいますね。

北陸の冬と言えば雪景色していた方が何となくそれっぽいじゃないですか。

今のところ全然雪が降らないのでちょっと寂しくもあり、正直めっちゃ嬉しくもある、悶々とした暮らしを続ける木曜日の秀生です。

ホテルに付いているドライヤーなんですけど

壁掛けのこのタイプのヤツ。

全員分かりますよね、よくあるヤツですよね。

まぁ目にします。

どのホテルに行ってもよーく目にします。

きっと何十年か前にスーパー大ヒットしたんでしょう。

「誰もが心の中で物凄い思ってても絶対に言わないオブ・ザ・ワールド賞」

があるなら毎年ダントツ1位に輝いているハズですね。

他にもありますね。

「全員角刈りの男性だけで開発したで賞」

「あっ!パンチパーマのおばちゃんも参戦していかもしれないで賞」

他にも

「本当は壁の裏で誰かが吐息を吐いているんで賞」

「取り外すと法外な金額を取られるという契約がきっとあるんで賞」

など、数々の賞を総なめにしているであろうこのドライヤー。

それでも最近のホテルには付いていなかったりもしますよね。

コンセントに挿して使う家庭用のドライヤーが備わっている事も増えてきました。

これは便利です。

しかしまだまだこの手のドライヤーは多数存在しています!

か❗️

最近はこうも思うのです。

「旅先のドライヤーはこれでええ」

「最新テクノロジーはこのクオリティ辺りが色気もあって丁度ええ」と。

ドライヤーにマイナスイオンが発生しだした頃から何となく思っていた事があります。

「ウソをつけ」と。

これはもう感覚的な物でしか言えないですけど

「あんたそんな事あるかいね」と思いますね。

午前中の、まだ陽が昇り切っていない澄み渡った森林を歩くと、遠くで鳥の鳴き声が聞こえます。そこには小さな滝があって、水が上から下に流れ落ちる音も聞こえます。

その水滴が湯気の様に空気に帰って行きます。

奥には草むらに隠れた秘密の階段があって、

滝の滴によって年中乾かないので、もう黒ずんでしまっているその階段を登り続けるとまだ誰もいない神社に着くのです。

シンと静まる神社の境内には、砂利を蹴って歩く僕の足音しか聞こえません。

めちゃくちゃ冷たい水を桶ですくって両手と口を清めます。

神社の本殿は朝の薄紫に煙っているようです。

目を閉じたら大っきい竜神様や天狗の営みが薄ら見えるような気もします。

その方々に向かって軽く一礼するのです。

ここにある物がマイナスイオンでしょ。

清々しくも神々しく、凛とした気持ちになってしまう空気じゃないの?

コンセントに挿してスイッチ入れたら出て来る物じゃないでしょ?

ウソつかないでよ!

と最近の行き過ぎたテクノロジーに思うのです!

本当の所は

まぁ

知らんけど。

とにかく最近はホテルの壁掛けドライヤーに対しても何故か風情を感じて愛おしく思ってしまうのでした。